杏を見送る日の朝、私はこの冬初めての雪を見ました。
寒いのは苦手だけど雪は好きな私の為
杏が降らせて見せてくれたんじゃないかな
なんて思いながら、窓の外を見ていました。
そしてこの朝
杏がどんなに汚しても良いようにと敷いていた古い夏物のラグを
ようやく冬物に替えました。
三ヶ月もの間、痛くてしんどい治療をいっぱいして辛い思いをさせたのに
最後の最後にまで熱い熱い思いをさせてごめんな。
こんなに大きな空やから、煙突から出て迷子にならんように
まっすぐ虹の橋まで行くんやで。
最後の血液検査の結果
杏の内臓はもう正常なトコがほとんどなく、ぼろぼろでした。
だけど、丸裸になった杏の内臓は
その検査の結果を疑うくらいにきれいでした。
ただ、骨髄の一箇所だけが真っ黒でした。
ココが杏を苦しめてたのか
そう思うと悔しくて、涙が出ました。
だけど息子は、これも杏の大事な一部やからと言って骨壷に入れました。
普通の骨壷で連れて帰ってくるつもりでいたけど
頭の骨を入れる時に係りの方が
「頭を全部入れる事はできないので、崩して入れてください。」と言ったその言葉に
「崩すなんて絶対にいやや。」と息子が全く譲らなかったので
予定よりふたまわりも大きくなって帰ってきました。
もっとしてあげれた事があったんじゃないか、とか
あの時こうしてあげていたら、とか
思う事はいっぱいあります。
後悔はないと言ったら嘘になります。
だけど、杏が一番辛かったと思う一ヶ月
その一ヶ月、24時間杏と過ごせた事。
そして、一人ぼっちで逝かせずにすんだ事。
それだけが、なにより良かったです。
無事、初七日も迎える事が出来ました。
あっという間の七日間でした。
これからもきっとこんな風に、時間は過ぎていくんだろうな
そんな事をぼんやりと考えていました。
実は、「お体大事にしてください。」と
沢山の方に言ってもらってたにもかかわらず、見事に風邪を引いてしまい
仕事が休みの日はひたすら寝ていました。
今日で四日目ですが、微熱が続いています。
高熱が出ていた時は、いくら杏の事を思っても
涙は出ませんでした。
だけど微熱になった途端、涙が出てくるんですよね。
なんて体は正直なんだろうと思いました。
まだまだ涙の毎日です。
だけど、そんな私の姿を一番悲しんでいるのは杏だってわかっているから
もう少し泣いたら、きちんと笑いたいと思っています。
杏がいなくなって、主人も鹿児島に戻り、一気に寂しくなった我が家。
李も心なしか元気がないようです。
だけども彼女も小さい体で一生懸命
いろんなことを感じ取ってるんだと思います。
時に私に笑顔をくれ、また涙をくれます。
そんな李にも、「きちんと笑ってあげないと。」
そう思っています。
沢山のメールにコメント、ありがとうございました。
お一人お一人にお返事できなくて、本当にごめんなさい。
だけど、ありがたく読ませていただいています。
もし、ブログやホームページをお持ちでしたら
URLを残していただけると、嬉しいです。
いつか必ず、お礼に伺いたいと思っています。
三ヶ月もの長い間、祈って下さった方
また輸血が必要になった時に備えて待機して下さっていた方
皆さんのおかげで、杏も私もココまで来れました。
何度も何度もくじけそうになったけど、頑張る事ができました。
コメントに「気のきいた事を言えなくてごめんなさい。」と
沢山の方が書いて下さいましたが
私の方こそ、気のきいたお礼の言葉を言えなくて本当にごめんなさい。
心から…
心からお礼申し上げます。
ありがとうございました。
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