杏が空に旅立って、今日で四ヶ月。
もう四ヶ月かぁ。
早いなぁ。
杏は私のお布団に入ると、いつも私に背中を向けて寝ました。
だから私は、杏の背中にくっついて
杏の右耳と左耳の間に顔をうずめて
杏のにおいを感じる事が大好きでした。
何ヶ月もそうしていたのに、月日と言うものは時には残酷で
あんなに大好きだった杏のにおいが
だんだんと私の中から薄れていくのです。
「いつか思い出せなくなる。」そう思うと怖くて苦しくて、気が狂いそうでした。
ある時友達に話したら、友達は
「気が狂いそうになるくらいに苦しいんやったら
いっその事、忘れてしまったらいいやん。
それで楽になれるんやろ?
それににおいを忘れたからって、杏の全てを忘れる訳じゃないやん?
何かを一つくらい無くしたって、まだ大事な物は残ってるやろ?」そう言ってくれました。
そっか、そやな。
においを思い出せなくなっても、杏の顔はまだ目に浮かぶし
喜んだ時、ちょっと跳ねて歩く姿も
李とよだれを付け合ってじゃれ合う姿も
へそ天で白目むいて爆睡する姿も
シャンプー中のちょっとみすぼらしい姿も
散歩に行くと、いつだって私を確認してた姿も
はっきりくっきり思い出せる。
においを忘れちゃう事は、悲しいことだけど
忘れたらいけないと言う思いが
どうしようもないくらい私を苦しめるのなら
その思いを捨ててみて
思い出そうとしても、思い出せなくて苦しいのなら
思い出す事を止めてみて
それは間違った事じゃないはず。
ふっと気が楽になりました。
最近の私は、随分と泣く事が少なくなりました。
いっぱい思い出すと泣いてしまうから、少しだけ杏の事を思い出すと
ちょっぴり笑って思い出せるようになってきました。
月日は残酷だけど、時には優しかったりもします。
そんな私の横には、いつも李が寄り添っていてくれています。
父さんとなら歩いて行く駅前の広場。
ラベンダーが綺麗に咲いています。
私とはぜーったい行く事なかったのに、最近はしょっちゅう行かされます。
遠いので、私はあまり好きではありませんが。w
この前にいった花博公園のチューリップ。
今はチューリップの花びらで作ったフラワーロードがあるんやって。
GW、父さんが帰ってきたらまた行こな。
李が居てくれていたから、引きこもる事無く、深く深く落ち込む事無く
苦しいながらも、杏の死を何とか乗り越えてこれました。
李には、感謝してます。
杏の分も、これから李と頑張っていかへんとな。
そろそろ泣き虫とは、お別れです。
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