杏。
あなたの事を思って涙が出そうになったら
キッチンの隅とか
お風呂とか
洗面所とか
あなたの目の届かないトコへ急いで行くけど
そんなのきっとあなたには、お見通しだよね?
虹の橋の存在は、ココにいらっしゃってる方ならご存知でしょう。
そして、「雨降り地区」の事も。
幸せと愛の奇跡に満ちている、「虹の橋」の入り口に
「雨降り地区」と呼ばれる場所があります。
そこではいつもシトシトと冷たい雨が降り、動物達は寒さに震え
悲しみに打ちひしがれています。
そう、ここに降る雨は
残して来てしまった誰かさん、特別な誰かさんの流す涙なのです。
大抵の子は半年もしないうちに、暖かい日差しの中に駆け出して
仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らす事ができます。
ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも…。
でも、1年経っても2年経っても
ずっと「雨降り地区」から、出て行かない子達もいるのです。
地上に残して来てしまった、特別な誰かさんがずっと悲しんでいるので
とてもじゃないけれど、みんなと楽しく遊ぶ気になれないのです。
地上に残して来た誰かさんと同じ辛い想いをして
同じ悲しみに凍えているのです。 「虹の橋と雨降り地区」より抜粋
最初にコレを読んだ時、私、感動したんです。
「うんうん、だから泣かんと笑ってあげやなあかんねんやんな。」って。
だけど、こうやって実際に自分が「誰かさん」になった今
この雨降り地区の存在が私のココロを苦しめます。
「私がいつまでもメソメソしていたら
杏が雨降り地区で、冷たい雨に打たれる。
早く元気にならなきゃ。」そんなプレッシャーが私を襲うのです。
この悲しみは、簡単に癒える様な悲しみじゃないのに
早く、早くと私を急かすのです。
だけど、最近
「気持ちに無理をせず、泣きたいだけ泣いたら良い。
何ヶ月でも何年でも、泣いたら良い。」こんなコメントやメールをいただく様になって
すーっと気持ちが楽になりました。
私は、雨降り地区なんてないと思います。
皆、真っ直ぐに虹の橋の袂に向かうんです。
そしてそこで沢山のお友達と、楽しく走り回って遊ぶんです。
家族の誰かが、一年経っても二年経ってもメソメソしてたって
楽しく遊んでいるんです。
だって、ワンコが一番良く知ってるじゃないですか。
どれだけ悲しんでも、どれだけ泣いても
いつか必ず笑顔を取り戻してくれるって。
そう言う人だって事、いつもいつも傍に居たんだから
ワンコはきちんとわかってる。
だから心配なんてせずに、楽しく遊んでいるのです。
杏にも言ってます。
「母さんはたっくさん泣いちゃうけど、心配ないよ。
だからあんちゃんは、お友達といっぱい遊んでね。」って。
私の涙腺が超ゆるゆるなの、杏も知ってる。
だから杏は
「もう母さん、ほんまに涙腺弱すぎー。」って笑ってる。
今日の朝、李と散歩してたら
供血をお願いしたハスキーのリキに会った。
杏の事を話して御礼を言うと、リキのママは涙を流してくれました。
杏のお別れに来てくれた近所のお友達も、杏の為に泣いてくれました。
またこのブログで杏の訃報を読んで、沢山の人が涙を流してくれました。
杏の為の沢山の暖かい涙が、優しさとなって
今、杏に降り注いでいると思います。
杏、よかったね。
ねぇ、杏。
日に何度も流れるあなたへの涙が
一日一回になって…
何日かに一度になって…
一ヶ月に一度になって…
いつしか、数ヶ月に一度になっても
薄情だ、なんて怒らないでね。
涙が笑顔になっただけ。
笑顔にかえてくれたのは、杏、あなただよ。
そしてあなたへの想いは
何年経っても少しだってかわらないんだからね。
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