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いったい何時が分岐点だったんだろう。


腕枕がダイスキになった日?
散歩から帰って洗った足を拭く時、暴れなくなった日?
李と一緒に散歩に出ないと、早く家に帰りたがった日?



もしその日に戻れるのなら
私は何時を選択したらいいのかな?


杏…
一ヶ月前くらいから、散歩の時にトボトボと歩くようになった。
今までは私の前、リードを張る位だったのに
私の後ろを歩くようになった。

狼爪が伸びてて、それが痛いのかと思って切ったら
少しマシになったから、狼爪のせいだと思った。

ここ二・三週間、散歩に出たら砂を舐める。
苔を食べる。
そして、やたら水を飲む。

気になってたけど、食欲もあり機嫌も良し。
ウンチにも異常はない。
どこかが悪い様には見えなかった。

だけど土曜日の夜、横になる(伏せる)時
普通は後ろ足 → 前足と足を折るのを、前足から折ったのを見た。
頭からつんのめる感じ。
それがなんだかおかしくて。
病院の開く月曜の朝が待ち遠しかった。



診察室の台に乗せると、看護師さんが歯茎を見て。
一瞬表情が変わった気がした。
真っ白だった。
いつもはもっと笑って話をしてくれるのに
今日は言葉が少ない気がする。

血液検査。
結果を見た先生が説明してくれる。
「ヘマトクリット値(血液の濃さ、濃縮度の値)、見てくれるか。
 2007年の検査の時の数値が、
53%
 今の数値が
9%
 犬の平均正常値は
37~54%やから、貧血起こしてるな。
 この数値やったら、即輸血しやなあかんくらいやねん。
 だけど犬の輸血は人間の輸血とは違って
 血液不適合で、輸血中に死んでしまう事もある。
 ぐったりとしてるんやったら
 リスクを背負ってでも輸血をしやなあかんけど
 死んでてもいい位のこの数値で
 食欲もあって散歩にも行ってるんやったら
 かえって危険な目に合わせる事になるからな。」

「先生が飼い主やったら、輸血しますか?」
「今はまだ、貧血の原因がはっきりしてへんからな。
 輸血して治る病気やったら輸血も必要やけど
 輸血しても治らん病気やったら、輸血してもな。
 調べれる事は、調べてからやな。
 レントゲン、撮るわな。」


20分位で現像ができて、診察室に呼ばれる。

「心臓が少し肥大してるけど、そんなんでこんなに貧血になる事はない。
 腫瘍もないし、腸にも問題はないな。」


そう、レントゲンでは貧血の原因が見つからなかった。

「今日は家に帰って様子見よか。
 もし容態が変わったら、すぐに来てくれるか。
 その時は輸血するから。
 明日の夕方には血液検査の結果が出るから
 それを見てからの話にしよう。
 とにかく、今は
非常に危険な状態やって事やからな。」

聞きたい事は山ほどあった。
多分一番聞きたかったのは、『杏は死んでしまうんですか?』
けど、聞けなかった。

家に帰って、ネットで貧血の事を調べた。

溶血性貧血
免疫介在性溶血性貧血

聞きなれない病名がヒットする。
そしてその病気にかかったワンちゃんは
『虹の橋を渡った。』
そう書かれている物が多い。

まだ、そうと決まった訳じゃない。
それに、杏は食欲もあるし、散歩だって行きたがる。
自分で階段を駆け上がり、リビングに戻る。
まだまだ余力がある。
だからきっと大丈夫。

だけど、先生が最初に言った『治らない病気だったら…』
これが耳を離れない。

たくさんの犬を診てきた先生だもの。
きっとある程度の病名の予測は出来てるはず。
そして、今の杏の状態が
どれほど危険なレベルなのかも分かってるんだと思う。
だからこそ出た言葉の様な気がしてならない。


以前よりは確かに元気はない。
ほとんど横になってる。
だけどいつもと変わらない顔で私を見つめ
今も隣で、いつもの様に寝息を立ててる杏が
死んでしまうかもしれない病気だなんて
どう考えたって考えられない。
苦しんでないか
きちんと呼吸してるのか
目はしょっちゅう杏を追ってしまう。

そして、李にも申し訳なく思う。
どうしても杏に手をかけてしまって、李は二の次になってしまうから。
杏にかまってるのを横目で見てる李にも
心の負担はかかるはずだから。





いったい何時に戻れば、杏を苦しませなくてすむんだろう。
誰に頼めば、杏の苦しみを取り除いてあげれるんだろう。

検査結果が出るのが、怖い。


病院から戻って



 










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プロフィール
HN:
misa
性別:
女性
自己紹介:

野良出身のにゃんこ三匹
くらら
しいな
たいち
と、暮らしています。


保護犬の幸せ探しのお手伝いを
はじめました。

過去記事は、こちらに。
HP:

2002年10月26日生まれ
プチフラッフィーコーギーの女の子
2016年9月8日
お星様になる
享年 13歳11ヶ月

2012年5月
悪性神経鞘腫と診断され、摘出手術
2014年5月 寛解

2014年9月
糸球体腎炎の疑いありと診断
2014年11月
投薬(ENACARD)開始
2016年3月
投薬(レンジアレン)開始
2016年8月
皮下輸液 開始
くらら

2012年8月くらいに生まれる
野良猫出身の女の子
2012年9月 保護
2013年8月 我が家の子となる
しいな

2013年6月くらいに生まれる
野良猫出身の女の子
2013年8月 保護
2014年6月 我が家の子となる
たいち

2014年5月くらいに生まれる
野良猫出身の男の子
2014年7月 保護
2015年2月 我が家の子となる

2000年10月30日生まれ
コーギーの女の子
2009年12月30日
免疫介在性溶血性貧血で
お星様になる
享年 9歳2ヶ月

コーギースタイル Vol.27

辰巳出版より 2011.5.30 発売

杏の闘病記を掲載していただきました
巻末 P90~P93
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