朝4時、自分で歩いて水を飲みに行き
6時、外におしっこに連れて行ってあげると
きちんと自分で立って用を足し
朝ごはんも、いつもの量をきちんと食べた。
10時、おしっことウンチに連れて行った。
きちんとおしっこをして、ウンチもした。
ウンチはもう十分出てるのに、気持ち悪いのか何度も息む。
薬の影響でただでさえ緩いウンチ。
最後は体液しか出てこない。
それでも何度も息む。
家に連れて帰って部屋に入れると、ぽたぽたとお尻から体液が漏れている。
朝、一瞬目がうつろだったこともあり
食欲はある
まだ立てる
お腹の底から声が出る
だけども、念の為に病院に連れて行った。
別のニャンコの診察に、待合室に出てきた先生が杏を見て
「今日はえらい元気がないなぁ。」と言う。
診察室に入ると、先生は
「輸血しやなあかんかもやな。」と言った。
この前よりも、首に力が入ってない。
首を持ち上げる力がないのだ。
だけど、食欲もあってまだ歩けてる。
その状態で輸血を選択するのも、先生にとっては勇気のいる事のよう。
血液検査のため、大切な血を採取。
すぐに注射器に入ってこない。
だって10%もないんだもんね。
次に診察室に戻った時には、もう輸血の準備が進められていた。
9%あったPCVが、今は6.8%しかないそう。
9%でも即輸血の状態だったけど、余力の事を考えて少し様子を見た。
だけど食欲もあって立ててたとしても、さすがにこの数値はもう限界以下。
点滴の準備をしている杏の頭を撫でるのが精一杯だった。
「頑張るんやで。」そう言うと、涙がこぼれそうだった。
だから、ただ撫でていた。
再度診察室に入ってわずか5分で、私は一人でそこを出た。
帰り道、危ないのはわかってるけど涙が止まらない。
対向車の運転手さんには、きっと丸見えだっただろうなぁ。
家に着いてリビングに上がると、李が不思議そうに辺りを見回す。
「あれ?母さん、杏と出て行ったよな?杏は?」そんな感じ。
病院からは幸いにも連絡がない。
第一の山(輸血を始めてすぐのショック)は乗り越えたようだ。
「なにか、変やなぁ。」そう思いながらも寝てしまった李のお腹が
痙攣のようにぴくぴくしている。
それを見て、「杏、苦しいんかなぁ。」
そんな事を思ってしまう私は、やっぱりまだまだだ。
朝ご飯を食べ終わった杏の顔を見たら
右目から涙が一粒零れた。
ねぇ、杏
あの涙の意味は何だったん?
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