退院の許可が下り、迎えに行く。
輸血直後のPCV値 23%
退院前のPCV値 24%と、幸いにも溶血はしてない。
歯茎だって、ピンク。
きちんと血が通ってる。
けど、これだって健康な子からしたら白いんやろうな。
でも、今の私にはショッキングピンクにさえ見えるくらいだ。
「やったぁっ!」と思ったのもつかの間、
明日にでも、溶血が始まる事もあるんだそう。
それに、この数値はまだ正常値の半分。
この数値で輸血をする子がいるくらい、まだ安心できる数値ではない。
そう、輸血したから治った訳じゃない。
輸血で命を一ヶ月ほど繋いだだけ。
自分で血を作れなければ、話にならない。
溶血が始まれば、この血も一ヶ月は持たないだろう。
輸血も、二度目・三度目と回を重ねるほど
リスクも高くなるそう。
薬も一週間ほどで何らかの兆候が見られないと、結果が出せないらしい。
後はもう、杏に本当にがんばってもらうしかない。
杏が家に戻った頃、ちょうど旦那も帰宅。
杏の事もあるし、日曜は娘の体育祭。
なので、帰ってきてもらった。
輸血前は、ほとんど横になっていた。
だけど、伏せの状態で周りを見ることが出来てる。
うん、少し元気だ。
そんな杏の姿を見て、ようやく私もご飯を食べる気になれた。
家にも笑い声が聞けるようになった。
散歩は用心して、家の前だけ少し。
階段も抱っこして上がることにした。
なるべく体力は温存させておきたいから。
寝る前、おしっこに行くとひどい下痢。
「薬で緩くなるから気にせんといて。
今は命のほうが大切やからな。
続くようやったら、食事の方も指導していくから。」驚いたけど、先生のその言葉を信じよう。
そして、夜中2時。
吐く。
その後、30分毎。
それが、10分毎に。
17回も吐いている。
もう出る物もないから、胃液ばかり。
2時から一睡もしていない。
そして、李も一睡もせず不安そうに杏を見守っている。
どんなに私がガサガサと動いていても、寝る時は寝る李が
一睡もせず、ずーっと杏を見てる。
李は一体何を感じてるんだろう。
こんなに杏が吐いているのに、涙は出てこない。
多分、昨日に泣き尽くしたからかもしれない。
それにこんな状態でも、杏は自分できちんと血を作る気がするから。
昨日はもうだめだって何度も諦めたけど
今日はなぜだか治る気がする。
だから泣かない。
ようやく今落ち着いた。
二匹が穏やかな顔で寝ている。
長かった夜が明けた。
信じてたら、叶う。
今だけはそれを信じたい。
帰宅後、いつもの場所でお昼寝。PR