あんちゃん
十歳の誕生日、おめでとう。
去年はお祝いどころでなくて
そして、今年はあなたは居ない。
一昨年の誕生日には
また来年も、そして再来年も、この先ずーっと
こんな風に当たり前に誕生日が来るって思ってた。
あなたが病気になって、はじめて
当たり前なんて事はないって、教えられたよ。
あなたは、永遠に九歳のままだけど
私達家族や李と同じ様に、毎年きちんと歳を重ねていく。
そしてあなたは、犬の寿命よりも長く生き
二十歳を迎えても、三十歳を迎えても
老いる事無く、きらきらしたあなたのままで
私の中で、生き続けるんだ。
買ってきてから、二年。
花をつけなかった金木犀。
今年もいろんなお家の庭先から、ダイスキなこの香りがしていたのに
うちの金木犀は、つぼみさえも付けなくて
秋も終わって、冬の入り口の季節になってしまった。
だけど、今朝見たらね
もう諦めていた小さな花が、咲いてました。
杏が居なくなってから、不思議な事がいろいろと起こるよ。
あなたがきっと、そうしてくれているんだね。
私の喜ぶ事を、あなたが叶えてくれている。
ねぇ…
だったら一度
夢の中、会いに来てほしいよ。
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