一年前、同じ職場のお友達の義母さんが倒れた。
いつまでかかるかわからない看病だったから
彼女は仕事を辞めると上司に言ったけど
「いつかには必ず終わる看病なんだから。」そう言って、上司は仕事を続ける事を勧めた。
四ヶ月間、彼女は仕事を休んで義母さんの看病をした。
その四ヶ月の間、上司が彼女のお休みについて
何一つ文句を言うことはなかった。
この一ヶ月お休みをもらいたいと上司に電話した時
あまり良い空気が流れなかった。
私が休みをもらうようになって三週間が経った時、電話が掛かってきた。
いつまで皆に迷惑をかける気なんだ。
週に三日くらい、出て来れただろう。そんな事を言われた。
皆に迷惑をかけてる事は、心苦しく思ってる。
だけども、杏の事をほおりだす事なんかできなかった。
それは私の甘えなのかな?
杏が不安定な時だったら、私は迷わずに辞める事を選んだだろう。
何よりも一番にやらないといけないのは、杏の傍に居る事だったから。
そして上司のその言い方に、悔しい思いをしたから。
だけど落ち着きつつある今、仕事を辞める訳にはいかない。
仕事を辞める事も、残る人達に迷惑をかける事だし
何より杏の治療代を稼がなきゃいけない。
犬の命と人の命と比べる事は、間違っていると思う。
重さも違うだろう。
だけど、犬だって飼ってる者からしたら家族に間違いない。
大切な大切な家族なんだ。
人の命とは違うけど、それでも重い重い命。
だからこうやって必死に看病する。
当たり前にその命を守ろうとする。
だけどそう思うのは、まだまだほんの一部の人間だけなのかもしれない。
だから、上司を責める事は出来ない。
まだそれが、一般的な世間・社会の考えなのかもしれないから。
分かり合えないだろう、きっと。
「たかが犬。」
なんて嫌な言葉なんだろ。
そんな中、私が仕事に顔を出すと、労いの言葉をかけてくれる同僚達。
上司はそんなだけど、同僚には恵まれている。
彼女達には、本当に感謝!
大阪は随分と冷え込んでます。
杏はコタツにもぐりこんで、全身を暖めてます。
ぬくぬくですぅ。暖房を入れる様になったら、乾燥して喉も渇く。
暖房を入れる様になるまでに、水分制限がなくなるといいのにな。
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