朝、ほんの少し吐く。
朝ご飯をどうしようかと思ったけど、今は体力勝負。
いつもより少し減らして食べさせる。
減らした分は、このまま吐かない様だったらお昼に食べさす事に。
散歩は珍しく抱っこを要求。
まぁ、そうやわな。
しんどいにきまってる。
けど、杏を抱いて李を散歩させるってちょっとしんどい。
歯茎は、ぐんと色が落ちた。
輸血が近い事を予感させる。
おしっこはまっ黄色。
ステロイドで、肝臓に負担かかってるかなぁ。
ウンチはちょっと白っぽい。
ちょっと気になるから、診察に持って行こう。
パルス療法の説明を聞きに行くのは、1時。
待合室で待っていると、またまた先生が出てきて
杏の様子を見て
「輸血しやな、あかんかもなぁ。」とつぶやいた。
診察室へ入るとまず、体重測定。
金曜より2kgも増えている。
嫌な予感。
エコーで見ると、案の定、腹水。
「水やったら良いけど、血やったらなぁ…。」先生は、その後を言葉にしなかった。
抜いてみると、水。
ほっとしたけど、良い訳じゃない。
血よりはマシなだけで、異常は異常なんやから。
気になる目やに。
目を見た看護師さんは
「黄疸、出てきたなぁ。」そっか、だからおしっこ黄色いんや。
黄疸が出てきたって事は、溶血が始まった事を意味する。
溶血…
一番避けたい事やったのにな。
血液検査の結果、13.8%。
金曜より、3%ダウン。
この数値は初めて病院に来た時よりも良いにも関わらず
腹水のせいで、あの時よりもしんどそうに見える。
この状態でのパルス治療は、体力的に厳しいと先生は言う。
まずは輸血が必要。
輸血と同時にパルスをするのが先生の案。
輸血は、一度目と二度目、同じ子から貰うのは危険。
そんな事をどこかのHPで見た気がした。
かと言って、大型のワンコを飼っている友達なんて居ない。
近所で挨拶程度のお付き合いの方に、お願いしてみようか?
先生は、一度目の血をもらった病院のワンコからの輸血を勧めたけど
「協力してくれるワンコを探します。」そう言った私に、それ以上何も言わなかった。
黄疸・腹水・PCVの減少・輸血…
頭の中、いろんな思いがぐるぐる回る。
私は今正常なのかな?それともおかしいのかな?
よくわからない。
帰ったら供血してもらえるワンコを探さなきゃ。
近所の心当たりの方には、少し前から
「もしかの時は協力して貰えないでしょうか?」と声を掛けてあった。
今日も朝に会って
「今から病院です。もしかしたらがあるかもしれません。」そう話した。
彼女は
「必要なら言ってくださいね。」そう言ってくれてた。
だけど、実際そうなったら?
夫婦二人、我が子のように可愛がっているワンコの血を
めちゃくちゃ仲が良い訳でもない私の為に…?
私だったら?
血を採ったくらいで死ぬ訳じゃないけど
やっぱりいろいろ考えてしまうだろう。
それに
「お願いします。」って言われて
「いや、ちょっと…。」なんて、断りにくい。
そしたら納得のいかないまま、供血してもらう事になる。
やっぱりそれは、私としても嫌。
旦那に相談する。
旦那は、治療をする事にも消極的。
それで治る可能性があるなら良いけど
しんどい思いをさせるだけやったら、と言葉を濁す。
(先生に話したら、男の人は大概の人がそう言うらしい。
やっぱり女は強いねんなぁって、実感。)
血をもらう事にも反対。
それは、私と同じ考え。
だけど一度目と二度目、同じ血液を使うのが危険やねんやったら
なんとしても誰かを探さな。
そう言う私に、釘を刺すように
今回は病院のワンコからの輸血を勧めた。
先生にその旨、電話する。
「病院のワンコの血をもらうのと、別のワンコの血をもらうのとじゃ
どっちの方がリスクがありますか?」諦めきれずに聞く私に、先生は
「半分半分やと思うで。」病院のワンコの方が少しでもリスクがあるのなら
形振り構わず頼もうと思っていたけど、半分半分やねんやったら
他のワンコに注射針を刺す様な事はしたくない。
やっと、決心できた。
「今の飼い主さんは、治療を諦める人が多い。
治療を進めへんかったら、なにも前には進めない。
今は輸血&パルス療法と言う大きな扉の前で立ち止まっている。
まずはその扉を開けて欲しい。
パルスがあかんかったら、また別の治療を一緒に考えたら良い。
このままなにも治療しーひんかったら、二週間はもたへんやろう。
とにかくパルスをしやな、何も始まらへんねんからな。」病院から帰ってからは、情けない事にへばってた。
涙がどんどん溢れてくる。
泣いてたってなにも変わらないし
どうしようもない事だってわかってる。
だけど、行き場のない思い。
何処にもぶつけようもない。
ただ、泣くしかない。
だけど、先生を信じて頑張るしかない。
腹水で張ったお腹。
絶対治してあげるから、頑張るんやで。
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