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元気になっているのか
現状維持なのか
悪化を辿っているのか
一見見るだけでは、わからない。

昨日から飲みだしたステロイドの副作用が気になって、ネットで調べてると
同じ貧血にかかったワンコのブログに、時々たどり着く。
そしてそのブログは、虹の橋を渡ったコの方が圧倒的に多い気がする。

「病気の事を調べてたら、亡くなったコのブログにばかり辿り着くんです。」
昨日、先生にそう言ったら
「治ったら安心して(ブログに書き残す)心境にならへんのんちゃうか?」
「けど、こうして治りましたって情報が欲しいじゃないですか?」
「大丈夫!情報は僕が持ってるから。」
先生は自信満々に笑った。

その笑顔をみて、だったら私が書いてやろうじゃないか!
その時はそう思った。

だけど、こうも亡くなったコが多いと
不安ばかりが押し寄せてくる。
もう泣くもんか!
そう思ったけど、不安が涙を連れて来る。

呼吸が荒い。
昨日よりも早い気がする。
気がするだけかもしれない。

ソファーに飛び乗るのに、失敗する。

そんな事が、「もしかして…」と思ってしまう。


友達が言ってくれた。
『結局は本人(本犬?)次第。
 本人が諦めなければ大丈夫。』
って。

杏は諦めてないから、ご飯をしっかり食べる。
生きるために。
ごろんと横になって、力を温存している。
これも、生きるため。
そう、杏は生きる事を諦めてない。
だからきっと大丈夫。

杏を信じなきゃ。

だけど、気持ちはぐるぐるするばかり。
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獣医さんに連絡すると、杏も一緒に来てほしいとの事。

診察室に入ると、先生は看護師さんに
本棚に収まっている沢山の本の中から
『貧血』の本を取るように言って
それをパラパラと開きながら、話し出した。

犬のPCV(Ht)値は、40~55%が正常値。
今の杏は、9%。
重度の貧血。
この数値は、死んでてもおかしくないほど最悪の数値だそう。
どん底のどん底、先生はそう言った。

貧血の原因は、主に三つある。

1 血液を自分で作る事が出来るが、失血している

   体の何処からも、尿や便からも、失血はしていない。
   なので、これではない。

2 血液は自分で作る事が出来るが、溶血(溶けてなくなる)している

   この場合黄疸が出るけど、今の杏は黄疸は見られてない。
   可能性がないとは言えないが、多分これでもない。

3 血液を自分で作れない

   血液の殆どは骨髄で作られている。
   残りは脾臓・肝臓。
   その骨髄が機能していない。
   もしくは、血液を作る材料(鉄分やビタミン)の不足。

消去法で考えると、これに当てはまる。
なので、まずはこの治療をして行くとの事だった。

まず
・血液の材料を補う
    これは人用の貧血のサプリを服用。

・赤芽球癆(せきがきゅうろう)の治療
    赤芽球癆=再生不良性貧血のうち
          赤血球のみを特異的に作れなくなってしまう病気。
    この治療は、免疫介在性溶血性貧血の治療と同じで
    免疫抑制剤・ステロイドを服用。

一週間、薬を飲んでみて血液が出来る(増える)か様子を見る事に。

同じ症状(土を舐める・水を大量に飲む)のコーギーが
病院にかかってたんだそう。
今回の杏と同じ治療法で、そのコーギーちゃんは助かったんだそう。
病院にやってきた時は、もうぐったりしてた子が生きている。
その子に比べたら、杏は元気過ぎるくらい。
少し希望が見えた。

「杏の貧血は、非常にゆっくりと進行していったから
 上手く体がそれに慣れてくれたんやと思う。
 今、危ういバランスで均衡を保ってるんや。
 今はこのバランスを崩さん事が一番大事。
 いつも通りの生活を、いつも通りしてたらいいから。
 何か特別な事をしようと思ったらあかんで。
 ただ、高山で生活してる様なもんやから
 決して無理はさせたらあかんで。
 それと、飼い主もな、肩の力抜かんとあかんで。
 『頑張らなっ!』って、気負ったらあかん。
 いつも通りでいいねんで。」


今の状態から、ぽっくりと死んでしまう事はまずないだろうと
先生は言う。
やっぱりその時は、序々に体が弱ってからだと言う。
杏は食べてるから、まだ体力は残ってるはずだから。
だけど、仕事から帰ったら死んでた。
ありえると言う。
急変だって、可能性が0ではない。
そんな事を考えると、仕事を辞める事も頭をかすめてた。

けど、先生は言った。
「(仕事)行ってもいいで。」と。

それが先生の言う『頑張らない』って事?

友達も言った。
『自分を気遣う事。それも意味のある事。』って。

そうだ。
私は私の出来る事を、無理をせずやって行こう。
どれくらい続くかわからない闘いなんだから。

免疫抑制剤・ステロイド・胃を守る薬・貧血のサプリ。
これを食事毎に摂っていく。
後は一週間後、数値が上がっている事を願うだけ。




闘いのゴングが鳴った。
杏がボクサーで、私がセコンド。
一緒に、闘って行く。





心配なので、一緒に寝る事にした。
朝、目が覚めた時
杏のお腹が動いている事に安心した。

朝の散歩。
ゆるゆると歩くから、時間がかかって仕方ない。
けど、歩くのを嫌がらない。
時々立ち止まるから、疲れたのかと思って
抱っこしようと腕を広げてあげるけど
腕の中に来ようとはしない。

食欲も落ちてない。
以前のようなガツガツと喰い付く感じではなくて
少しゆっくりになったけど、残さずにきちんと食べる。

家に居る時は、ほとんど寝ている。
気のせいかもしれないけど、呼吸が少し早い気がする。

仕事に行く事に、躊躇した。
仕事から帰ったら、死んでるんじゃないか
その思いが頭から消えなかった。

仕事に行く時、玄関の鍵を掛けると
いつもは、杏と李が「行くな。」って吠える。
いつもよりは短かったけど、今日もきちんと杏の鳴き声が聞こえた。

いつもはお昼休憩を取らずに仕事をしている。
だけど、やっぱり気になって
休憩を取って、家に帰った。
階段の上り口で、杏は出迎えてくれた。

仕事をしてる方が気が紛れた。
心配で気になってどうしようもなかったけど
家に居てると、きちんと息をしてるのか気になって
しょっちゅうしょっちゅう確認してしまうから。

仕事を終えて、急いで家に帰った。
杏は出迎えてはくれなかったけど
階段の方、私が上がってくるのを見ていた。

今日は、おしっことウンチを持ってくるように言われていたから
散歩に連れて出た。
朝のルートより短いルートで帰りたがった。
やっぱりしんどいのかな。

けど、先生からしたら
散歩に行けてる事は信じられないくらいの事だから
無理させない、杏の好きなようにさせてあげよう。

李にはちょっと辛抱してもらわなな。
その代わり、家に着いたらボール投げしてあげるから。


いったい何時が分岐点だったんだろう。


腕枕がダイスキになった日?
散歩から帰って洗った足を拭く時、暴れなくなった日?
李と一緒に散歩に出ないと、早く家に帰りたがった日?



もしその日に戻れるのなら
私は何時を選択したらいいのかな?


杏…
一ヶ月前くらいから、散歩の時にトボトボと歩くようになった。
今までは私の前、リードを張る位だったのに
私の後ろを歩くようになった。

狼爪が伸びてて、それが痛いのかと思って切ったら
少しマシになったから、狼爪のせいだと思った。

ここ二・三週間、散歩に出たら砂を舐める。
苔を食べる。
そして、やたら水を飲む。

気になってたけど、食欲もあり機嫌も良し。
ウンチにも異常はない。
どこかが悪い様には見えなかった。

だけど土曜日の夜、横になる(伏せる)時
普通は後ろ足 → 前足と足を折るのを、前足から折ったのを見た。
頭からつんのめる感じ。
それがなんだかおかしくて。
病院の開く月曜の朝が待ち遠しかった。



診察室の台に乗せると、看護師さんが歯茎を見て。
一瞬表情が変わった気がした。
真っ白だった。
いつもはもっと笑って話をしてくれるのに
今日は言葉が少ない気がする。

血液検査。
結果を見た先生が説明してくれる。
「ヘマトクリット値(血液の濃さ、濃縮度の値)、見てくれるか。
 2007年の検査の時の数値が、
53%
 今の数値が
9%
 犬の平均正常値は
37~54%やから、貧血起こしてるな。
 この数値やったら、即輸血しやなあかんくらいやねん。
 だけど犬の輸血は人間の輸血とは違って
 血液不適合で、輸血中に死んでしまう事もある。
 ぐったりとしてるんやったら
 リスクを背負ってでも輸血をしやなあかんけど
 死んでてもいい位のこの数値で
 食欲もあって散歩にも行ってるんやったら
 かえって危険な目に合わせる事になるからな。」

「先生が飼い主やったら、輸血しますか?」
「今はまだ、貧血の原因がはっきりしてへんからな。
 輸血して治る病気やったら輸血も必要やけど
 輸血しても治らん病気やったら、輸血してもな。
 調べれる事は、調べてからやな。
 レントゲン、撮るわな。」


20分位で現像ができて、診察室に呼ばれる。

「心臓が少し肥大してるけど、そんなんでこんなに貧血になる事はない。
 腫瘍もないし、腸にも問題はないな。」


そう、レントゲンでは貧血の原因が見つからなかった。

「今日は家に帰って様子見よか。
 もし容態が変わったら、すぐに来てくれるか。
 その時は輸血するから。
 明日の夕方には血液検査の結果が出るから
 それを見てからの話にしよう。
 とにかく、今は
非常に危険な状態やって事やからな。」

聞きたい事は山ほどあった。
多分一番聞きたかったのは、『杏は死んでしまうんですか?』
けど、聞けなかった。

家に帰って、ネットで貧血の事を調べた。

溶血性貧血
免疫介在性溶血性貧血

聞きなれない病名がヒットする。
そしてその病気にかかったワンちゃんは
『虹の橋を渡った。』
そう書かれている物が多い。

まだ、そうと決まった訳じゃない。
それに、杏は食欲もあるし、散歩だって行きたがる。
自分で階段を駆け上がり、リビングに戻る。
まだまだ余力がある。
だからきっと大丈夫。

だけど、先生が最初に言った『治らない病気だったら…』
これが耳を離れない。

たくさんの犬を診てきた先生だもの。
きっとある程度の病名の予測は出来てるはず。
そして、今の杏の状態が
どれほど危険なレベルなのかも分かってるんだと思う。
だからこそ出た言葉の様な気がしてならない。


以前よりは確かに元気はない。
ほとんど横になってる。
だけどいつもと変わらない顔で私を見つめ
今も隣で、いつもの様に寝息を立ててる杏が
死んでしまうかもしれない病気だなんて
どう考えたって考えられない。
苦しんでないか
きちんと呼吸してるのか
目はしょっちゅう杏を追ってしまう。

そして、李にも申し訳なく思う。
どうしても杏に手をかけてしまって、李は二の次になってしまうから。
杏にかまってるのを横目で見てる李にも
心の負担はかかるはずだから。





いったい何時に戻れば、杏を苦しませなくてすむんだろう。
誰に頼めば、杏の苦しみを取り除いてあげれるんだろう。

検査結果が出るのが、怖い。


病院から戻って



 












プロフィール
HN:
misa
性別:
女性
自己紹介:

野良出身のにゃんこ三匹
くらら
しいな
たいち
と、暮らしています。


保護犬の幸せ探しのお手伝いを
はじめました。

過去記事は、こちらに。
HP:

2002年10月26日生まれ
プチフラッフィーコーギーの女の子
2016年9月8日
お星様になる
享年 13歳11ヶ月

2012年5月
悪性神経鞘腫と診断され、摘出手術
2014年5月 寛解

2014年9月
糸球体腎炎の疑いありと診断
2014年11月
投薬(ENACARD)開始
2016年3月
投薬(レンジアレン)開始
2016年8月
皮下輸液 開始
くらら

2012年8月くらいに生まれる
野良猫出身の女の子
2012年9月 保護
2013年8月 我が家の子となる
しいな

2013年6月くらいに生まれる
野良猫出身の女の子
2013年8月 保護
2014年6月 我が家の子となる
たいち

2014年5月くらいに生まれる
野良猫出身の男の子
2014年7月 保護
2015年2月 我が家の子となる

2000年10月30日生まれ
コーギーの女の子
2009年12月30日
免疫介在性溶血性貧血で
お星様になる
享年 9歳2ヶ月

コーギースタイル Vol.27

辰巳出版より 2011.5.30 発売

杏の闘病記を掲載していただきました
巻末 P90~P93
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